稲見繭

 

私は眠れない夜に、必ずと言っていいほど「なにもうまくいかない夜」という曲を聴きます。そんなわけはないけれど、まるで私のためだけに歌ってくれているのかな なんて錯覚してしまうくらい寄り添ってくれるような歌です。何度この歌に救われたんだろうな〜ってしみじみします。

 

この曲を最初に聴いたのは繭さんのインスタグラムでした。ブックマークみたいなのに入れて毎晩のように聴いていたので、Apple Musicで聴けるようになってとっても嬉しかったなあ。自分にそういう風に思える曲があってよかったなって、頼もしく思います。

 

今回出演をするにあたって、繭さんが私にかけてくれた言葉をたいせつに胸にしまい、忘れないようにしようと決めました。

 

優しくて、肯定してくれて、話を聞いてくれて、ダメな時はダメって言ってくれて、かわいらしくて、こういう人になりたいなあって思えるお姉ちゃんみたいな繭さん。もちろん作る曲も大好きだけど、それだけじゃなくて。そんな繭さんを、自信を持って誘えるイベントにできそうです。わたしはそれがとても嬉しい。

 

私の大好きで大切なひとの紡ぐ歌を、おとなりで聴いてほしいです。

はるよこい

わたしは楽器が弾けません。自分にストイックにもなれませんし、伝えたいことは不器用にも言葉でしか伝えられません。

もやもやしたり、やりきれないことばかりの毎日。今のわたしには真っ直ぐひたむきに努力できることがなに1つなくて、なにもがんばれていないくせに羨ましがるばかり、みにくい妬み嫉みがいつも心の隅にちらついております。そんな自分最低だ。でもどうしたらいいのかさっぱりわからないな 助けてくれ〜 なんて答えのないことばかり考えだして眠れなくなってしまいます。
余裕がまるでなくて、好きな人にすら、優しくなれない。こんな夜にはきまって、もし楽器が弾けたならと思います。

そういう時、この人たちの音楽を聴くんです。救われるというよりかは一緒にいてくれるみたいな、そういう感覚です。

ある程度、顔見知りだから誘っただなんて思われてしまったら嫌だなって思っています。いろんな思いを込めて、ひとりひとり声をかけさせていただきました。尊敬と愛と感謝と、色々を込めました。
わたしは、おとなりという空間で、この人たちの歌が聴けたら誰かのなにかになるんじゃないかなと思ったんです。
夜眠れない仲間のみなさんには是非、知ってほしいイベントだなと思います。色々と、メンヘラだとか簡単な言葉で片付けられたくないじゃないですか。

はるよこい というのは私の人生に影響を与え続けている ソラニン のサイドストーリーの名前です。落ち込んでしまった時に、漫画や音楽に浸りがちな他人も自分もだいきらいなので、イベント名もすごく悩みましたが結局これにしました。やっぱりね、しっくりくるし好きなんですよ。

この漫画の最後に
「私は東京の隅っこの、すかすかの2DKで、たった一人、暖かくなるその日を待つ。こんな時にもし楽器が弾けたなら。」
というセリフがあります。いかにも私が好きそうなセリフですよね。先ほどもいいましたが、こういうことを思いながら聴くのは、このひとたちの歌なのです。

意味も想いも詰まっています。いまわたしの出せる精一杯であり、最高地点なんだと思います。ハタチになる前にこういうイベントをやろうと動き出せたことが、わたしの自慢になってくれる気がします。「はるよこい」この日ことを気にかけてくださったら幸いです。長々とありがとうございました。どうかあなたに届きますように。

2018.3/26 acoustic cafe otonariにて。